介護職が仕事をする上で、介護現場では様々なスキルと知識を要求されます。まず、介助に関連する介護スキルを身につけなければならないことは言うまでもありません。適切な介護スキルが無いと、高齢者の身体を支える場面で転倒や転落などの事故につながるおそれがあります。現場に必要な介護スキルは、介護資格を取得するために参加する研修で習得できます。また、介護現場では介護スタッフが高齢者の血圧や体温といったバイタルサインをチェックする業務も担うことがあります。このような場面では、看護師と連携し、利用者の健康状態を正確に把握しなければなりません。ある程度、医療に関する知識も求められるでしょう。
それから、介護計画についてケアマネージャーと情報交換しつつ、利用者に最適な介護を施すことも介護スタッフの重要な業務です。ケアマネージャーは、現場スタッフから情報を得て利用者の心身の状態を把握し、ケアプランを練るのです。このように、介護スタッフは、他業種の職員と連携するために高度のコミュニケーション能力が欠かせません。さらに、排せつや入浴といった利用者のプライバシーに介入する場面でも、信頼関係を損なわないような気遣いが不可欠です。利用者は自分の恥ずかしい姿を介護スタッフにさらけ出すのですから、相当の信頼関係を成立させるためには、並々ならぬ努力が求められるでしょう。他業種のスタッフや利用者と信頼関係を築き、より良い介護を施せるよう努力する向上心が最も大切だと言えます。